三人姉妹


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三人姉妹(CHITEN×KAAT | ホーム)、観劇してきました。

ちゃんと考察なりなんなりしたいのですが、いまはただこのお芝居の持つ圧倒的な生のパワーにやられています。わかるとかわからないとかストーリーだとかは二の次で、登場人物の感情の洪水から目が離せませんでした。役者さんたちが本当にすばらしかったです。ひとの泣き声と笑い声って似てるんだなあ。セリフが奇妙なイントネーションとリズムで発音されていて日本語としてスムーズに頭に入ってこないようになっているのは、セリフ一個一個に意味を持たせることよりも、動作や声色で感情のうねりを表現することに重きが置かれているからだったりするのでしょうか。舞台のセットも物語の大事な要素になっててすごく素敵でした。

ああびっくりするくらい文章がまとまらない。頭がとっ散らかっています。脳みそを素手で掴んでぐちゃぐちゃにかき混ぜるような舞台だったのです。

きりこについて、について

突然ですが、私はぶすです。毎日そのことばかりを考えながら10代を過ごしてきました。こんな始め方をすると病んでる女の子の愚痴ブログみたいになってるけど違うんですよ、違いますからね、けどとにかく世間一般的に見て私の顔面は上はおろか中の上でも中の下でもなく、下の上とも言い難い、というような位置づけだと思うのです。これはまったく謙遜しているわけでも悲観しているわけでもなく、周りのひとたちと自分の顔面を冷静に比較した結果です。そしてそれに伴って女子としての自己評価もその程度なのです。ぶすだからこんな服着れないなあ、ぶすなのにこんなアクセサリーつけていいのかなあ、という気持ちにがんじからめにされて身動きがとれなくなる、そんな10代最後の5年間を送っていました。あっちがうんですよ、悲劇のヒロインブログが書きたいんじゃなくて、


この小説の話がしたいのです!


きりこについて はぶす(本文中でも太字になっているので、それに倣ってみます)なのにぶすであることに気づかない、クラスの女王様だった小学生のきりこが、ぶすであることを初恋の人に宣告されるところから始まります。

そうそう、実は自分がぶすであることって誰かに宣告されないと気づかないのだよね!私も自分がそこそこの顔だと思ってた中学生のときに、知らない男の人に「オアシズの大久保さんに似てる」って言われたんだもん!ケッ!

「うちは可愛い」それが自分のアイデンティティだと思っていたきりこはどんどん自分がわからなくなって、ついには本当に身動きがとれなくなってしまいます。けれどきりこの側にはいつだって美しくて賢い黒猫のラムセス2世がいました。ラムセス2世や猫たちに背中を押され、きりこはある事件に立ち向かう決意をするのです。


きりこがいかにぶすでひどい顔立ちであるかに関しては「もうわかった!やめてくれ!」と言いたくなるぐらい繰り返し描写されているし、きりこに対して「美しい」という言葉が使われることは一度もなかったと思うのですが、きりこが立ち上がるシーンが本当に美しいのです。人の悲しみがわかる人は美しい。陳腐な表現ですが、人それぞれの美しさって本当にあるんだろうなあ、と思わされます。きりこやちせちゃんの放つすべての言葉が力強くてまっすぐで素敵。

「自分のしたいことを、叶えてあげるんは、自分しかおらんと思うから。」


きりこについて を読んで気づいたのは、私は自分がぶすであることがずっと、本当にずーっとつらかったけど、でも自分の顔が好きだ、ということです。ぶすだって思ってるときだって、自分の顔が嫌いになりきれないからつらかったのです。世間一般の「可愛い」とは程遠いけど、けど愛嬌のあるいい顔じゃん、よく道とか電車とか聞かれるし、それっていい顔してるってことじゃん、って思うようになりました。

中高生のころ、美醜って女の子のなかではそれがもう全部で、人の価値を決めるのは可愛いか可愛くないか、それだけの基準しかなかったけれど、美しさってたぶん顔立ちの美醜だけじゃない。自分の中で光るものは、きっと誰かのことも照らせるのです。そんなお話。

なんてったって春

春という季節があまり好きではない、とハタチになって初めて気づきました。春って出会いも別れもあるからプラマイゼロ、めでたしめでたし、みたいな感じがするけれど、出会った瞬間に出会いを喜べることってあるんでしょうか。私はまだないなあ。出会えてよかったって思うのはたいがい夏秋を通り越して冬。だから春は私にとってプラス要素のないマイナスの季節なのです。春はみんな浮かれきってるし自分の居場所は見つからないし、けど好きな人たちとは別れなくちゃいけないし、桜は綺麗だけどさみしい季節ですねえ。


あした5年間お世話になったひとたちとお別れをするのです。いままでありがとうございました、って言いたくないなあ。

決意表明のようなもの

すてきな文章に出会うたびにいいなあ、私も自分の言葉でこんな文章を書いてみたいなあと思うのですがいかんせん文章を書くという行為に慣れておらず、ラインやツイッターなんてものは一行ほど文字を書けば済んでしまうわけで、140字以下の生活を続けていくなかでこれじゃあいつまでたってもまともな文章は書けないわな、ということで始めてみたのがこのブログです。コンセプトは「とりあえず書いてみる」。好きなものについてつらつらと書いていきたいなあと思っています。そんなオシャレなことが私にできるのか、そして続くのか、いや続かせようと思わないとね、続かせます。よろしくお願いします。